ODM/OEM/EMS
社員紹介
社員紹介 vol.2
ものづくりを支える
プロフェッショナル
製品分野は、車載/産業/医療/民生機器と多岐にわたります。
ものづくりをリードする、各部門のキーパーソンをご紹介します。
技術生産本部
MS技術開発部
K.A.
- 2002年~
- CDメカニズム/カップホルダーメカニズムの電気設計を担当
- 2012年~
- 車載ナビゲーションの電気設計を担当
- 2016年~
- ヘッドアップディスプレイ駆動メカニズムのプロジェクトリーダー
- 2019年~
- 福祉機器向け操作ユニットODMのプロジェクトリーダー
- 2022年4月~
- 現職
ヘッドアップディスプレイのメカニズム開発
VE*提案も受け入れられ、順調なスタート
欧州を中心に搭載が進むヘッドアップディスプレイ。車の安全性が求められる今、市場は拡大を続けている。私たちはヘッドアップディスプレイ駆動メカニズム (ディスプレイの展開/格納を行う) を供給するサプライヤーとして、海外メーカーからの受注をいくつも獲得してきた。その中の重要な案件においてプロジェクトリーダーに指名された。
「お客様はヘッドアップディスプレイの量産経験を持つ、大手メーカーでした。私たちはヘッドアップディスプレイの駆動メカニズムを開発した経験を活かし “DCモータを活用したコストダウン提案” を行い、お客様からの合意を得ていました。順調なスタートだったと思います。」
DCモータを活用することで関連部品のコストを7割ほど削減できる見立てとなる。お客様はステッピングモータを使った開発は経験していたものの、DCモータは初めてのこと。DCモータの扱いについてお客様へ丁寧な説明を行い、信頼を得た。
エンジニアとして
未経験領域の検証に挑む
開発を始めて数か月が経過したころ、お客様からモータの仕様を変えてほしいと要求が入る。製品のコストダウンを目的として、部品点数を減らすべく『駆動メカニズムに車のバッテリーから “直接” 電源を供給したい』との内容だった。
「お客様の目指すことは理解できました。しかし、私たちが想定していた入力電圧は6~7ボルトだったのに対し、要求されたのは7~18ボルト。非常に広い範囲で要求仕様を満たす必要があることを意味します。これまでに経験したことのないレベルでした。だからこそ、しっかり検証してみたいと思いました。」
早速、モータメーカーとのやり取りを開始した。広範囲の電圧に対応するモータを作ることは可能だと分かったが、完全カスタム仕様が前提となる。それでは製品のターゲットコストを大きく上回ってしまうばかりか、ほぼ完成に近づいていた仕様を一から見直さねばならないと判明したのだ。日程が遅れれば、車両メーカーの開発にも影響を及ぼすことになる。
プロジェクトリーダーとして
常に全体最適を考える
「プロジェクト全体を考えた結果、モータの仕様を変更するのが現実的ではないと、お客様へ説明することに決めました。それがベストだと考えました。」
新しい開発の可能性を追いかけるエンジニアとしては苦渋の選択だったが、プロジェクトリーダーとして全体を配慮しての対応だった。 お客様が納得できるようプロジェクトチーム一丸となって検証データの整理を進めた。海外のお客様にも的確に情報をお伝えするべく、図やグラフを用いた資料を準備した。
「モータの仕様を変えることによる製品仕様の変更ボリュームや日程感をお客様も理解してくださり、モータの仕様は変えずに開発を進めるということでご納得いただけました。」
お客様からの要求仕様を実現することは、供給側にとって重要なミッションだ。しかしプロジェクトリーダーには、一つひとつの要求を実現するだけではなく、プロジェクト全体のコントロールも求められている。
「お客様からの要求が、革新的な技術の開発に繋がる可能性は大いにあります。だからこそ難しいと思われる要求も前向きに検証する姿勢は大切にしています。それと同時に、プロジェクト全体を見渡した時に “要求に応えることはできない” と判断した場合は、お客様にご納得いただける説明を行うこともリーダーとしてのミッションだと思うのです。」
“新しい可能性も模索しながら、
プロジェクトの全体最適を実現する”
エンジニアとしての初心を忘れずに、
プロジェクトリーダーの挑戦は続く。